玉ねぎの健康効果とは?血液サラサラになる理由や栄養を逃さない食べ方を解説
身近な野菜である玉ねぎですが、日々の食事に取り入れることで、健康に役立つさまざまな効果が期待できることをご存じでしょうか。
特有の辛味や香りの成分には、体を内側から整える働きがあります。
この記事では、玉ねぎがもたらす健康効果の理由から、栄養成分を逃さずに取り入れるための効果的な食べ方、食べ過ぎの注意点までを詳しく解説します。
1. 玉ねぎを食べると期待できる主な健康効果
玉ねぎには、体の調子を整える成分が含まれています。具体的にどのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。
血液サラサラ・血管の健康維持
玉ねぎの皮に近い部分に多く含まれる「ケルセチン」というポリフェノールには、悪玉コレステロールの酸化を防ぐ働きがあります。血管の壁に汚れがたまると、血管のしなやかさが失われる原因になりかねません。ケルセチンはこの酸化を抑えることで、血管の健康を保ちます。
また、玉ねぎ特有のツンとする辛味成分「硫化アリル(アリシンなど)」は、血小板が固まるのを抑え、スムーズな流れを保つ働きをサポートします。さらに、カリウムが体内の余分な塩分を排出することで、高血圧の予防にも役立ちます。これらが組み合わさることで、生活習慣病の予防へのサポートが期待できます。
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疲労回復をサポート
硫化アリルは、糖の代謝に欠かせない「ビタミンB1」と結びつき、その吸収や利用を高める働きを持っています。
ご飯やパンなどの糖質をエネルギーに変えるにはビタミンB1が必要ですが、玉ねぎと一緒に豚肉や大豆製品などビタミンB1が豊富な食材を食べることで、エネルギーに変えるのを助け、疲れを和らげることに繋がります。
冷え対策と脂肪燃焼のサポート
玉ねぎ特有の成分である硫化アリルには血行を促す働きがあり、体が温まりやすくなることで冷え対策のサポートが期待されています。また、独特のにおいが交感神経を刺激して体温を上昇させることから、風邪の予防や脂肪燃焼を促す働きがあるとも言われています。
腸内環境の改善(腸活)
玉ねぎには「フラクトオリゴ糖」という成分が含まれています。このオリゴ糖は胃や小腸で消化されずに大腸まで届き、乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌のエサとなります。
善玉菌が増えて腸内が酸性に保たれることで、悪玉菌の増えにくい環境になります。また、玉ねぎには水に溶けやすい水溶性食物繊維と、水分を吸って膨らむ不溶性食物繊維の両方が含まれており、これらが合わさることでお通じの改善に役立ちます。
日々の健康を守る「抗酸化作用」
ケルセチンが持つ強い抗酸化作用は、体内の酸化ストレスを抑え、健やかな状態を保つサポートをしてくれます。
2. 玉ねぎの栄養を無駄なく摂り入れる食べ方・調理法
玉ねぎの栄養成分は、調理の方法によって体への取り込まれ方が変わります。目的に合わせて切り方や食べ方を変えるのがコツです。
生食(サラダなど)
熱に弱く水に溶けやすい「硫化アリル」などの成分を効率よく摂るなら、サラダなどで生で食べるのがおすすめです。
油と一緒に加熱する
強い抗酸化作用を持つ「ケルセチン」は油と相性が良いため、油と一緒に調理すると、体に取り入れやすくなります。肉や魚と一緒に炒めたり、グラタンなどに調理するのがおすすめです。また、ケルセチンやオリゴ糖は加熱に強いため、火を通しても壊れる心配はありません。
細かく刻む(すりおろし・みじん切り)
玉ねぎを包丁ですりおろしたりみじん切りにしたりすることで、細胞が細かく壊れて空気に触れる面積が増えます。すると玉ねぎの中の酵素が働きやすくなり、巡りを助けるアリシンなどの硫化アリルが生成されやすくなります。
切って少し「空気に触れさせる」
玉ねぎの辛味成分は、切って空気に触れることで作られます。すぐに加熱するよりも、少しの間(15分ほど)空気にさらすことで、辛味成分が安定して働きを活かしやすくなります。調理の際は、最初に玉ねぎを切っておくのがおすすめです。
水ではなく「空気にさらす」
生の玉ねぎの辛味を抜きたい時、水にさらしてしまうと水溶性のビタミンや硫化アリルが流れ出てしまいます。スライスした玉ねぎを重ならないように広げ、5〜10分ほど「空気にさらす」だけで、栄養が逃げるのを防ぎつつ辛味を飛ばすことができます。
電子レンジの活用
お湯で茹でるのと違い、水を使わない電子レンジ加熱は、ビタミンなどの水に溶けやすい成分が逃げるのを防げます。手軽に火を通したい時に便利な方法です。
3. 新玉ねぎと普通の玉ねぎの違い
春に店頭に並ぶ新玉ねぎと普通の玉ねぎは、栄養成分自体に大きな違いはありません。
一番の違いは、普通の玉ねぎが保存性を高めるために収穫後しばらく乾燥させてから出荷されるのに対し、新玉ねぎは乾燥させずにすぐに出荷される点です。そのため、新玉ねぎは水分量が多く、やわらかいのが特徴です。
辛味が穏やかで生でも食べやすいため、熱に弱い「硫化アリル」を効率よく食べるのに向いている食材です。
4. 玉ねぎの栄養と相性が良い「食べ合わせ」
一緒に食べる食材を工夫することで、玉ねぎの栄養成分を効率よく摂ることができます。
玉ねぎ × 豚肉・大豆製品(疲労回復)
豚肉や豆腐・納豆などの大豆製品には、エネルギー作りに欠かせない「ビタミンB1」が豊富です。玉ねぎに含まれる硫化アリルがこのビタミンB1と結びついて利用しやすくするため、疲れを感じている時に相性の良い組み合わせです。豚の生姜焼きに玉ねぎをたっぷり入れたり、冷奴にオニオンスライスを乗せたりするのがおすすめです。
玉ねぎ × 青魚(スムーズな流れ)
青魚に含まれるEPA・DHAは血液の健康に良い成分です。血小板の凝集を抑える玉ねぎの成分と一緒に食べることで、健康を意識したバランスの良い食生活に役立ちます。サバ缶と玉ねぎのサラダなどは手軽に取り入れられる一品です。
玉ねぎ × トマト・緑黄色野菜(抗酸化成分の組み合わせ)
トマトの「リコピン」や、緑黄色野菜の「β-カロテン」など、色の濃い野菜には抗酸化作用を持つ成分が含まれています。玉ねぎの「ケルセチン」も同様の働きがあるため、これらを一緒に摂るメニューは健康維持におすすめの組み合わせです。
5. 栄養を手軽に摂り入れる、おすすめの食べ方
日々の食事に無理なく取り入れられる、おすすめの食べ方をご紹介します。
酢玉ねぎ
薄切りにした玉ねぎを、お酢とはちみつで漬け込んだ一品です。お酢には食後の血糖値上昇を緩やかにする働きがあるため、健康管理に役立ちます。また、お酢のクエン酸が疲れを和らげるのに役立つため、玉ねぎと合わせて美味しく取り入れられます。
手作り玉ねぎドレッシング
すりおろした玉ねぎに、オリーブオイルやお酢、醤油などを混ぜてドレッシングにするのもおすすめです。生の玉ねぎに含まれるアリシンなどの硫化アリルを効率よく摂れるだけでなく、油と一緒に調理すると「ケルセチン」を体に取り入れやすくなります。サラダだけでなく、お肉のソースとしても美味しくいただけます。
栄養を逃がさない「スープやお味噌汁」
水に溶けやすいビタミンやアリシンを余さず摂るなら、スープやお味噌汁の具にするのも手軽な方法の一つです。溶け出した栄養を汁ごといただけるため、効率よく摂ることができます。 また、外側の茶色い皮には「ケルセチン」が豊富に含まれています。抵抗がなければ、よく洗った皮を一緒に煮出してダシを取り、食べる前に皮だけ取り出すという工夫をすると、より多くのケルセチンを摂ることができます。
6. 美味しい玉ねぎの選び方と保存のコツ
せっかくの栄養を長持ちさせ、美味しく食べるための選び方と保存方法をご紹介します。
美味しい玉ねぎを見分けるポイント
皮がよく乾燥してツヤがあり、頭の部分が固く締まっているものを選びましょう。持った時にずっしりと重みがあるものが、水分を保っていて良質です。
普通の玉ねぎは「風通しの良い冷暗所で常温保存」
普通の玉ねぎは湿気に弱いため、ネットなどに入れて風通しの良い冷暗所に吊るしておくのが長持ちのコツです。ただし、気温が高くなる夏場は傷みやすいため、冷蔵庫の野菜室で保存すると安心です。
新玉ねぎは「冷蔵庫の野菜室で早めに使い切る」
水分が多い新玉ねぎは非常に傷みやすいため、常温保存には向きません。乾燥を防ぐために新聞紙などで包み、冷蔵庫の野菜室に入れて1週間以内を目安に早めに食べ切りましょう。
7. 玉ねぎの食べすぎに関する注意点と1日の目安
健康に良い働きが多い玉ねぎですが、食べすぎには注意が必要です。
胃腸への刺激
硫化アリルなどの辛味成分には強い殺菌作用と刺激があります。そのため、一度に大量に食べると胃粘膜を刺激してしまい、胃もたれや腹痛、吐き気などの原因になることがあります。
1日の目安量
公的な明確な基準はありませんが、一般的に生で食べる場合は1日に50g(中サイズの玉ねぎ1/4個分)程度を目安にすると良いとされています。毎食山盛りにするような極端な食べ方は避け、他の野菜と組み合わせてバランスよく食べることが大切です。
【補足】犬や猫などのペットへの影響
人間の健康には役立つ玉ねぎですが、犬や猫には絶対に与えないでください。ペットの赤血球を壊してしまう成分が含まれており、重い貧血(ネギ中毒)を引き起こす危険があります。この成分は加熱しても消えないため、玉ねぎが入ったハンバーグやスープの残り汁などのおすそ分けも厳禁です。
8. よくある疑問と誤解
玉ねぎの栄養や食べ方に関する疑問にお答えします。
Q. 「体によいなら、毎日たくさん食べてもいい?」
A. 明確な基準はありませんが、一般的には生なら1日50g(1/4個)が目安とされています。
玉ねぎの辛味成分は胃腸への刺激が強いため、一度に大量に食べると腹痛や胃もたれを引き起こすことがあります。特に生の玉ねぎは刺激が強いため、一般的には1日に中サイズ1/4個(約50g)程度にとどめ、他の野菜とバランスよく食べるのがおすすめです。
Q. 「玉ねぎを食べると、すぐに血液がサラサラになる?」
A. 薬のように即効性があるわけではありません。
玉ねぎの成分が血流のスムーズさをサポートすることは事実ですが、食べたからといってすぐに血管の詰まりがスッキリするわけではありません。日々のバランスの良い食事の一部として取り入れることが大切です。
Q. 「生の玉ねぎの辛味を抜くために、水にさらしてもいい?」
A. 栄養が流れ出てしまうため、水ではなく『空気にさらす』のがおすすめです。
水にさらすと、水に溶けやすい硫化アリルやビタミンなどの栄養まで一緒に流れ出てしまいます。お皿に広げて少しの間(10〜15分ほど)空気にさらすだけで、栄養を逃さずに辛味を和らげることができます。
Q. 「玉ねぎを切るとなぜ涙が出るの?防ぐ方法は?」
A. 辛味成分が気化して目を刺激するためです。切る前に冷やすのがおすすめです。
玉ねぎを切った時に発生する硫化アリルなどの成分が、空気中に気化して目の粘膜を刺激することで涙が出ます。これらの成分は温度が低いと気化しにくくなるため、切る前によく冷やしておくか、よく切れる包丁を使って細胞を壊しすぎないようにするのがコツです。
Q. 「使い切れなかった『切った玉ねぎ』はどう保存すればいい?」
A. ラップで隙間なく包み、冷蔵庫で2〜3日以内に使い切りましょう。
切った玉ねぎは切り口から乾燥し、傷みやすくなります。空気に触れないようにラップでぴっちり包むか、密閉容器に入れて冷蔵庫で保存してください。みじん切りや薄切りにして冷凍しておけば、スープなどにすぐ使えて長持ちします。
Q. 「芽が出ている玉ねぎは食べられる?」
A. 食べられますが、味や栄養は落ちてしまいます。
玉ねぎの芽に毒はありませんが、成長するために玉ねぎ自体の栄養や水分が使われてしまうため、味や食感が落ちてしまいます。芽が出ている玉ねぎを見つけたら、なるべく早めに使い切るのがおすすめです。
Q. 「表面が少し緑色になった玉ねぎは食べられる?」
A. 一般的には食べられます。じゃがいものような毒はありません。
栽培中や保存中に日光に当たることで、自然と「葉緑素」が作られて緑色になっただけです。じゃがいもの芽や緑色の部分には毒が含まれますが、玉ねぎの場合は食べても健康上の問題はありません。
Q. 「紫玉ねぎ(赤玉ねぎ)は普通の玉ねぎと栄養が違う?」
A. 基本の栄養は同じですが、紫玉ねぎには「アントシアニン」が含まれます。
紫色の正体は、目の健康を助けたり、強い抗酸化作用を持つポリフェノールの一種「アントシアニン」です。辛味が少なく水分が多いので、彩りを兼ねて生でサラダにするのに向いています。
Q. 「玉ねぎの皮のお茶、汚れや農薬は大丈夫?」
A. 一般的には外側の皮をむいてよく洗えば使えますが、気になる場合は無農薬を選ぶと安心です。
皮をお茶にする場合は、土や汚れがついている一番外側の皮をむき、その下の茶色い皮を使うのが一般的です。流水でよくもみ洗いし、変色している部分は取り除いてから煮出すようにしてください。残留農薬などが気になる場合は、無農薬や有機栽培のものを選ぶとより安心です。なお、飲みにくい場合は甘味として「オリゴ糖」を少し加えると、飲みやすくなるだけでなく腸内環境を整える働きもプラスされて一石二鳥です。
Q. 「玉ねぎの辛味成分はどうやって作られるの?」
A. 切って空気に触れることで生成されます。
もともと玉ねぎの中にある「イソアリイン」などの成分が、包丁で切られるなどして空気に触れ、酵素と混ざり合うことで特有の辛味成分(アリシンなど)へと変化します。
9. まとめ
玉ねぎには、スムーズな流れをサポートする硫化アリルや、血管の健康を守る「ケルセチン」、腸内環境を整える「フラクトオリゴ糖」など、体を整える成分が含まれています。
熱に弱い成分を活かす生食や、油と一緒に炒めて体に取り入れやすくする加熱調理など、目的に合わせて食べ分けるのがおすすめです。切った後に空気にさらしたり、少しの間置いておく工夫で、さらに栄養を逃さず取り入れることができます。
食べすぎによる胃痛には気をつけながら、適量を日々の食事に活用してみてください。
参考情報
本記事の作成にあたり、以下の情報を参考にしています。
- 独立行政法人 農畜産業振興機構: たまねぎ
- 株式会社明治: たまねぎの栄養素と効果|効率的に栄養をとれる食べ方と注意点を解説
- 健栄薬局 公式サイト: 新玉ねぎの栄養と効果・「硫化アリル」とは?
Published by よきだね編集部